本日の担当者 オカヒデキ
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へんな協会の方々
第9回 “エクストリームアイロニングジャパン”
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オカヒデキ(第2、3号で「裁判員に選ばれた僕」執筆)
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この世にはスポーツの数だけ、その“競技団体”としての協会が存在する。たぶん。というより、新しいスポーツが生まれることと協会を作ることとイコールかも知れない。例えば、日本マウスパッド投げ連盟という競技団体は、そもそも某ラジオ局がキャンペーンで大量に作ったマウスパッドが余ったため「マウスパッドを投げて飛距離を競う競技にしたら、数をさばけないか」というバカバカしいアイデアで無理やりスポーツにしたことで生まれた団体だったりする。「マウスパッドをみんなで投げて飛距離を競いましょう」と誘われても頭のおかしい人だと思うだけだが、「日本マウスパッド投げ連盟主催の国際大会に参加しませんか」だと、なんだかよく分からない説得力があるのが不思議だ。だからスポーツの普及・発展にはどうしても協会が必要となる。
で、エクストリームアイロニングジャパンという団体がある。すでに各メディアで紹介されているので知っている人も多いかも知れないが、その名の通り、エクストリーム(過激な)アイロニング(アイロンがけ)というスポーツの団体だ。15年ほど前に海外の登山家が気分転換に屋外でアイロンがけをしたところ、すこぶる気持ち良かったので、山登りのアイロン台とスチームアイロンを持参し、山頂アイロンがけをしたのがはじまりらしい。これがネットを中心にムーブメントとなり世界のクライマーたちが断崖絶壁や巨大クレバス、世界の数千メートル級の山々でアイロンがけを試み続けている。
その日本代表である松澤等氏は、元々クライマーとして各地の山に挑戦してきた人物だが、海外の命知らずなアイロニストたちの存在を知りその魅力に取りつかれ、協会を発足。茨城県筑波山をホームマウンテンとして日々アイロンがけに励んでいる。松澤氏によれば「おふざけだと思われがちだが、エクストリームアイロニングで重要なのはアイロンがけ。いかにシャツのシワをしっかり伸ばすかに全精力を傾けないと真のアイロニストとは言えない」と話す。電気の通ってないアイロンを持ってポーズだけ取るのは、競技としてのエクストリームアイロニングの本質から外れるんだそうだ。ちなみに松澤氏は会社員として20年来、自らのシャツにアイロンをかけ続けており、アイロンがけのスキルもプロ級である。プロだったらクリーニング屋じゃないのかという気もするが、それはそれ。
真面目に書くのがバカバカしくなってきたが、松澤氏本人も真剣にやればやるほど、「俺はいったい何をやっているのだ」と心が折れかかると話す。先日、アイロン台とスチームアイロン、小型の発電機を背負って富士山を登頂し山頂でアイロンがけをした際には、思わず涙が流れたそうだ。「もう後戻りができない」と。
とにかく世界各国には極限状態でのアイロンがけの魅力に取りつかれた、命知らずな野郎どもがたくさんいて、数年に一度はエクストリームアイロニングの国際大会も行われている。また、今年の7月には五輪開催国ロンドンを会場に、テームズ川のほとりで競技が行われるらしい。これはおそらく将来的な五輪正式競技化を目指す狙いもあると思われる。ただ、このスポーツが五輪競技になるのはかなり厳しいようで、松澤氏はその理由を「だってスポーツじゃなくて家事ですから」と指摘している。
危険をかえりみず、世間の冷笑にも耐え極限状態のアイロンがけを続ける松澤氏。なぜそこまでして、アイロンがけを続けるのか聞くとこう答えてくれた。「そこにシワがあるから」。
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本日の担当者 早川 舞
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元女王様だけどなんか聞きたいことある? 第9回
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早川 舞(「その時歴史が鞭打たれた」連載中)
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こんにちは、早起きどころか寝ないで金環日食をガン見した早川舞です。
「そのとき歴史が鞭打たれた」の最終回原稿もようやくひと息つきまして
というか、今ひと息ついたなんて言ってちゃ本当はいけないんですけど、
えぇととにかくつきまして、すがすがしい気分で見てました。
最初はあまり興味なかったんですが、次はもう生きてないしと思って
とりあえず見てみたらすごく面白かった!
こんな私は、行く前は散々「たりぃ」とか言ってたディズニーランドに着いた途端
誰よりも早くミッキーの帽子をかぶるタイプです。
さて、【元?女王様だけど何か質問ある?】第7回。
Q:
SM用具(鞭や衣装など)は店から支給されるのですか?
A:
バーではなく、クラブということで回答しますね。
さーれーまーせーんー。
基本的には全部自前です。鞭も衣装も縄も全部自分で買います。
お店の名前を出すことで割引になることはありますが、
それでも自分でお金を出すことには変わりありません。
どんな道具を持っているかが、その人の個性・セールスポイントになりますから
お店はあまり介入しません。少なくとも私が在籍していたところは
介入されませんでした。
「道具はそれぞれいくらぐらいですか?」という質問も来ていたので
合わせて回答しますと、
鞭はそれなりの質のものを買おうと思ったら、一本鞭であれば最低でも2万円はします。
(バラ鞭のほうが安いです)
バラ鞭でも一本鞭でも、アダルトショップなどで売っている
ペラッペラのものであれば数千円で買えますが、
プロユース(笑)では使えないことが多いです。
大抵の女王様やS男さんは、革から鞭を編みこむ「鞭職人さん」
(といっても革細工全般をやっていらっしゃる方が多いですが)
お手製の鞭を使っています。
私の知っている限りでは、現在、日本には10人弱ぐらいの鞭職人さんがいて、
女王様やS男さんは、自分のクセやプレイスタイルに合わせて彼らの作る鞭を
選んでいます。
縄は使う前に
1・よく煮て、中の不純物を取り除いたり柔らかくする
2・1〜2週間陰干しする
3・毛羽を焼いてから最後にオイルを塗り込む
という手順を踏まなければならないのですが、
これらの作業を半分以上うっちゃって、比較的すぐに使えるものを買うとすると、
(売ってるんです、そういう形で)
7メートルのもので1本大体2500円ぐらいです。
自分で作るのであればもちろん道具代しかかかりませんが
それでも1本300円ぐらいの計算になるかなぁ。
縛る相手にもよりますが、プロの女王様ともなれば
常に7〜10メートルのものを10本ぐらいは持っていることが多いので
縄1セット2万5000円ぐらい、と考えていただいていいと思います。
300円で計算しなかったのは、縄によほどこだわりがあるのでない限り
自分で作る人はあまりいないからです。
私も以前は自分で作っていましたけど、手間を考えたら
プラス2200円出したほうがいいんじゃないかと思うようになりまして…
まぁそのぐらい面倒きわまりない作業です。
衣装はここ数年、ぎょーかいで人気のオーダーメイドショップがあって、
そこのものは安くて質がいいと評判です。
具体的には私がよく着ているキャットスーツが2万円です。
(興味のある方は適当に画像検索してみて下さい)
それでもそのお店にしては高いほうです。
……え、高い?
いや、そのお店が出てくるまではエナメルの衣装なんて
どんなに布の部分が少なくても、
1着2、3万円以上しましたからね、画期的だったんですよ。
でもそのお店が特別なだけで、やはり高いものは高いです。
SMの代表的な素材の衣装を例に挙げると、
ラバーの衣装なんかは5万円を超えるものも多いですね。
レザーはさらに上をいきます。
とりあえず代表的なアイテムとしてはこんなところでしょうか。
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本日の担当者 杉江松恋
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ご当地ソングが聞きたくて 第9回
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杉江松恋(「ある日うっかりPTA」連載中)
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全国47都道府県の県歌を調べてまわる「ご当地ソングを聞きたくて」、前回から日本海沿岸を移動中である。その続き、さっそく行きます。まずは福井県から。残念ながらこの県は「レポ」購読者数はゼロ。頼みますよ、県民のみなさん!
福井県民歌はサンフランシスコ講和条約締結後の1952年に県章とともに発案され、1954年5月1日に制定された。その成り立ちからすると典型的な「復興県民歌」なのだが、他県にあるような民主主義をことさらに強調するような「戦後」っぽさが希薄である。曲調も相俟って非常に荘厳だ。なにしろ「秋の日の垂り穂豊かに/いや足らふ海のいろくづ」なのだもの。
それもそのはずで、この県民歌の作詞を担当したのは詩人の三好達治(1900〜1964)なのである。福井県庁の公式サイト(http://f-i.pref.fukui.jp/kouho/kenminka.html)を参考に書くが、三好は1944年から5年間、福井県三国市で暮らしていたことがあり(荻原朔太郎の妹アイと結婚していたころだ)、かの地を「わが心のふるさと」と呼ぶほどであったという。福井県では県民歌制定にあたり公募を行ったが、歌詞そのものではなく、歌の構想を広く求めたのである。寄せられたものを元に三好が詞を書いたわけだ。曲は、作曲家の諸井三郎(1903〜1977)が行った。これは蛇足だが、諸井は太平洋セメントの創業者一族の出身である。
上記の公式サイトでは、県民歌の制定過程について非常に詳しく説明してくれているので、興味を持った人は一度訪れてみるといい。歌詞が文語調なので、広報課職員による意訳まで付されている親切さだ。県民歌についての思いも「福井県民歌の特徴は、格調高い日本語と荘厳な調べです。美しい日本語が廃れつつある今、あらためて歌詞の一言一言を味わって口ずさんでみてください。言葉の持つ輝きに対する驚きと同時に郷土福井を復興・発展させようと頑張ってきた先人たちの熱き思いを感じていただけることでしょう」と熱く語られている。
日本海沿岸をさらに西へ進むと京都府に入るが、以前取り上げたので今回は通過する。すると次に達するのは兵庫県だ。兵庫県の「レポ」購読者数は9名である。
兵庫県には正式に制定された県民歌は存在しない。だが、兵庫県庁の公式サイトにはちゃんとそれについてのページがある(http://web.pref.hyogo.lg.jp/ac02/yumesong.html)。そこで紹介されているのだから「ふるさと兵庫」は、事実上の県民歌といっていいだろう。
この歌はフォーク・デュオの紙ふうせんの作品だ。紙ふうせんの結成は1974年、平山泰代と後藤悦治郎は夫婦でもある。このグループはフォーク・ソングの原点を追究しようとして、民謡などの郷土の愛唱歌研究を熱心に続けてきた。モータリゼーションが過度に普及してしまったために均質化した日本で、見失われた「ふるさと」の再発見が求められる流れが1970年代以降に起きる。当時の国鉄が仕掛けた「ディスカバージャパン」キャンペーンなどもその一環としてあったものだろう。紙ふうせんの創作活動は、そうした動きと偶然にも一致していたのである。
グループは1980年に兵庫県の自治体広報番組「週刊ひょうご夢情報」のオープニング・エンディング曲として「ふるさと兵庫」をプレゼントする。後藤が兵庫県尼崎市の出身であったことがその背景にはあるのだろう。2006年に兵庫県で50年ぶりに開催された「のじぎく国体」のテーマソングとしても採用されているのだが「国体県民歌」とは言いがたい。人の暮らしが変わっても変わらないものとして「ふるさと」の魅力、美しさを謳いあげた歌詞なので、これは「ふるさと県民歌」と名づけてしまっていいような気がする。再発見された「ふるさと」なのね。
次の鳥取県には2名の「レポ」購読者が存在する。いつもありがとうございます。
鳥取県の県民歌「わきあがる力」は鳥取県庁公式サイト(http://www.pref.tottori.lg.jp/1834.htm)を見ると、1968年10月23日制定である。作詞は鳥取県民歌制定委員会、作曲は團伊久麿(1924〜2001)だ。團は「京都府の歌」の作曲者で、この他に佐賀県民歌も作っている。
「大山はさやかに晴れて水清く湯けむりのぼる」(1番)「梨の実は枝もたわわに陽に映えて稲穂はゆれる」(2番)といった歌詞からすると「名勝・名産品県民歌」であると結論づけたいところなのだが、2番には「建設の若きうたごえ わきあがる力にみちて」という歌詞もある。曲名が「わきあがる力」なのだから、この部分を主題としてとらえるべきなのだろう。そうですか。やはり建設の若きうたごえを強調したいですか。制定の時代も考えると、これは「高度成長期県民歌」だと考えるべきだ。ちなみにこの「わきあがる力」というフレーズは、現在でも県庁内のアクション・スローガンとしてたびたび使用されているらしい。用事があって県庁を訪れたことがある人は、掲示板のポスターなどでこの言葉を目にしているのではないだろうか。
続く島根県には1人の「レポ」購読者。えー、ご近所やお知り合いにもぜひ購読をお勧めしてみてくださいな。
島根県の県民歌のタイトルは「薄紫の山脈」だ(うすむらさきのやまなみ、と読む)。制定年は1951年で、島根県庁の公式サイト(http://www.pref.shimane.lg.jp/kochokoho/kenka/)には「サンフランシスコ講和条約の締結を記念して」とはっきり書いてある。紛れもない「復興県民歌」で、「薄紫の山脈ははるか希望の雲を呼び」(1番)「働くところ日本の行手かゞやく光あり」(2番)などと勤労日本の明るい未来を歌っている。気になるのは3番の歌詞で、「九十万の県民の」とあるのだが、現在の人口は70万人強で、制定後60年経って大きく減ってしまっているのである。
この詞は公募で決められたものだが、採用された米山治がどういう人だったかは未詳。作曲はまたしても古関裕而だ。愛知・滋賀・新潟と、この連載ではすでに3回登場していますね。4つの県民歌を聞き比べてみると明るく、浮き立つような感じに共通するものを感じる。いい曲なので、ぜひこれからも歌い継いでいってもらいたい。
最後は4人の「レポ」読者がいる山口県である。このあいだ私、下関行きましたよ(1時間だけだけど。門司に行くついでに少しだけ寄ったので)。
山口県民の歌は県政施行90周年記念事業の一環として1962年に制定されたものだ。制定の翌年は山口県で国体が開催されているので「国体県民歌」に認定していいだろう。
作詞は思わぬ大物である。なんとあの佐藤春夫(1892〜1964)だ。山口県庁の公式サイト(http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a11000/song/song.html)に「山口県の歴史や名所を荘重かつ勇壮に表現しながら郷土の躍進を願うすばらしい歌」とあるとおり、「錦帯橋はうららかに秋吉台はさやかなり」(1番)などと名所を謳いこむだけではなく、「秀麗の地に偉人出て維新の偉業成せるかな」と歴史的事実を強調しているのが特徴である。まあそれは謳うでしょうね、維新のことは。作曲を担当したのは信時潔(1887〜1965)である。東京音楽学校の教授として長く音楽教育に尽力した作曲家で、1000を超える校歌や社歌、団体歌を作ったことでも知られている(私の母校の校歌もこの人が作っていました)。今までこの連載で名前が出てこなかったのが不思議なくらいなのだが、手がけた県民歌はこれだけらしい。また、この曲をレコードに吹き込んだのは三鷹淳と真理ヨシコの二人で、三鷹はコロンビアで「ウルトラマンタロウ」のカヴァーをしたことで一部特撮ファンに名前を知られている人、真理ヨシコは「おかあさんといっしょ」の初代うたのおねえさんである。
ちなみに上のページを見ると「なお、「山口県民の歌」は情報公開センター(県庁1階)で試聴することができます」とある。えー、県庁までうかがうのはたいへんなんで、できればネット上で視聴できるようにしていただけるとありがたいんですが……。
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イメージの詩
第11回 「(仮称)中大スポーツ計画」
えのきどいちろう (「ついこないだの話」連載中)
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ちょうど夏休みだ。僕は大垣行きの夜行列車(&在来線のりつぎ)で関西を目指した。どうも『週刊プレイボーイ』の記事のよると、あっちでは大学スポーツ紙がすんごい盛り上がってるらしい。どんな感じか実際に見に行こう。
新聞の構想はパッとまとまっていた。「中大スポーツ」で決まりだ。略して「中スポ」。中日スポーツとまぎらわしくていいじゃないか。僕は何しろ当時からスポーツ好きだったし、もう一方で東スポ的な遊びの感覚も面白いと思っていた。タブロイド版だ。絶対、タブロイドで出そう。多摩移転でなーんも面白いことのないキャンパスで間違いなく受ける。し、売れる。
京都、大阪の大学をめぐる僕のフィーリングは坂本龍馬だった。んと、土佐を脱藩して畿内の志士を訪ねる感じね。徒手空拳、名刺ひとつ持たない中大生を案外、皆、歓迎してくれた。そのときは佐竹君っていう中大杉並時代の同級生と2人で行ったんだよな。佐竹君は別にその後の「中大パンチ」に参加しないんだけど、つき合いがいいのと、あと『龍馬がゆく』を読んでもらったせいだね。京都では伏見の寺田屋に泊まったりしたんだ。
僕は小学校の頃、和歌山に住んでたことがあって、当時の同級生が京都、大阪の大学へ進学してたのも役に立った。レンラクとってね、人を紹介してもらったり、話を聞くときついてきてもらったり。いちばん面白かったのは近畿大学だ。ここは感じとしては東京なら拓大だな。応援団みたいなすっげーツメエリ着てる人のとこへ通されて、母校愛とか聞かされる。上下関係がとんでもなくて、先輩が僕に話してる横に下級生が直立不動で並んでんだよ。
で、わかったことは大体、大学の体育会が仕切ってるものなんだね。僕みたいな好き勝手な立場からスポーツ紙創刊しようって勢力はいない。関学とかアメリカンな気風のとこでもそれは同じことなんだ。これは中大の体育会に話は通さないといかんだろう。取材協力も得たいし。関西視察から戻って、中大体育会に手紙を書いた。スタッフも集めんといかん。中大杉並の同級生、杉森昌武と板橋雅弘を口説いた。杉森が発行人、僕が編集長で、板橋がスターライターみたいな布陣だね。行ける行ける。運転資金作るのにバイトせんといかんな。
爆発的にやる気だった。後に例えば同い歳の友人、大高洋夫(第三舞台)と話したりしたことだけど、もし、自分が中大ではなく早稲田へ行ってたら果たしてあんなに爆発しただろうかと思うのだ。大高さんは早稲田で鴻上尚史(鴻上さんも同い歳)と出会って芝居を始める。すごいと思うのだ。ワセダ祭とか行って、当時げんなりしたんだけど、もう芝居やる奴やらミニコミ作る奴やら花盛りで、とてもじゃないが僕が何かやってみようなんて思わなかったろう。自分がやらなくても誰かやってる。中大はきれいさっぱりなーんもなかったからねぇ。
中大OBの俳優・小松方正氏にコンタクトをとって「中大スポーツ」の題字をお願いした。小松方正は僕の好みだった。映画の悪役としての怪演っぷりも好きだったし、何しろ『ゲバゲバ90分』に出ていた人だ。小松さんはこころよく引き受けてくださって、インタビューにも応じてもらえた。そうしたらすごーく時間がたった頃、中大の体育会から返事が来たのだ。衝撃の内容だった。いいですか、脳みそでんぐり返りますよ。「中大スポーツという大学スポーツ新聞が既にある」。
もうね、灯台もと暗し。あるんだ。あったかぁー。関西行かなくてもよかったみたい。小松方正さんに何と言って詫びよう。もう書いてもらっちゃったよ「中大スポーツ」。もうね、もう平謝りでした。小松さんも説明受けてがっくり来てましたね。僕も説明して詫びながらがっくりですよ。
どうしようか、という話になりました。杉森と板橋に集まってもらって。計画とだいぶ違うけど、どうしようか。杉森が絶対やろうと言い張ったんだね。そんならスポーツ性をとっぱらって、笑いとセンスだけで行けばいい。後にベストセラー『磯野家の謎』の仕掛け人になる男はこの頃から異様にテンションが高くなりだした。ま、僕も板橋もライターとして自信があった。「中大パンチ」。「平凡パンチ」をもじった軟派ジャーナリズムが新たなベクトルに決まる。
だから「中大パンチ」は創刊号だけ「中大スポーツ」計画の名残りでタブロイド版なのだった(2号から手書きオフセットの雑誌形式に変わる)。あと「中大スポーツ」計画の名残りはもうひとつあって、本誌が軌道にのりだした頃、姉妹紙のひとつとして創刊した「東都スポーツ」だ。内容は東都大学野球のファンジンなのだが、驚いたことに現在も刊行されていて神宮球場へ行くと売店で買えてしまう。版型も手書きオフセットもそっくりそのままだ。「中大パンチ」がどんな薄さのどんな媒体だったかをしのぶよすがとして、唯一の生き残り「東都スポーツ」は貴重すぎるのだ。
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本日の担当者 中島とう子
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漫画と水があればよい
第9回 むきだしの漫画家 福満しげゆき
中島とう子 (第7号で「わたし、何でもできるの?」執筆)
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痛々しい過去の振る舞いなどを指す言葉として「黒歴史」というものがありますが、一般的には黒歴史と思われる過去を自ら詳らかに公開し、現在進行している痛々しい己の日常も細部までさらけ出す過剰な潔さで、「イタい」と人に言わせる隙を与えない「イタダサかっこいい」という新ジャンルを築いた漫画家が、福満しげゆきという人です。
『月刊漫画ガロ』(青林堂)の常連投稿者を経て、1997年に『娘味』でデビュー。代表作に、自身が漫画家になるまでの鬱屈した青春時代を描いた『僕の小規模な失敗』(青林工藝舎)、2010年文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞した、妻との日常を描いた『うちの妻ってどうでしょう?』(アクションコミックス)など。
福満しげゆきの代表作『僕の小規模な生活』(モーニングKCDX)は、前述の『僕の小規模な失敗』の続編にあたるエッセイ漫画(一応、毎号冒頭で「全て実際に起こったことだがあくまで僕にとっての一方的な事実なので、フィクションである」と断られてはいる)。
序盤は主人公の「僕」(=福満)が漫画家として徐々に仕事を得ていく過程と、「僕」を精神的にも経済的にも支える、かわいくて頼りになるけど情緒不安定でキレると手がつけられない「妻」との「小規模な生活」が描かれています。中盤は、別の2つの出版社で連載を持つようになってからの担当編集者たちとのやりとり(トラブルや駆け引きなど)がメインとして描かれ、3巻で息子が誕生してからは、若干病弱な息子の育児についての話題も挟まれてくる。
こうして見ると1巻から6巻まで、題材が少しずつ変遷してきていることが分かりますが、作品の雰囲気は一貫していてほぼ変わりません。病的なまでに神経質で考えすぎでノイローゼ気味な「僕」の社会や生活に対する漠然とした不安と恐怖。編集者や他の漫画家、かつての同級生などに対する不満や嫉妬や対抗心。妻への依存と愛と苛立ち。これらがかたちを変えて延々と繰り返されているだけです。
その描写は驚くほど赤裸々。たとえば担当の若手女性編集者を性的な目で見ていることを具体的に描く、編集者とのトラブルを事細かに暴露する、実名を出して他の漫画家への対抗心や嫉妬をあらわにする、などなど、「こんなことまで描いたらいろんな人に怒られたり疎まれたりして仕事をしていく上で不都合が生じるのでは……」と心配せずにいられないようなことしか描かれていません。
エッセイは、ある程度私生活を切り売りしなければならないジャンルと言えましょう。ですが、どれだけの人間がどれだけ正直に事実を描いているでしょうか。これは描かない、と守りに入ったり、実際には起こっていたことを隠したり、かっこよく描いたり、ということはいくらでもできる。それを責める気はさらさらありません。エッセイは暴露大会ではないし、当然のことながら作家だって人間で、生活があります。各々の信条や作風、表現したいことによって、事実の見せ方は調整すればよいでしょう。
そうやって多分大体の人たちが上手い具合に見せたり隠したりを調整している中で、赤裸々すぎる福満のやり方ははちゃめちゃなように見えますが、実はとても真摯なんじゃないか、とわたしには思えます。一切守りに入らない攻め一方の試合運びは、無謀なようで、見る者に強いハラハラドキドキを提供する最高のエンターテイメント。「攻め」の為には編集者が困ろうと構わない様子なのは厄介ですが、なりふり構わず捨て身で漫画を描いている、作品に対する情熱の純度が高い作家だ、ということでもあるのではないでしょうか。
福満は作品づくりにおいて、常に真剣に、自分の主義主張を押し通します。それがちょっと常識から逸れていようともとにかく押し通す。強引で融通がきかないと言えばそれまでだが、「自分の作品が自分の作品であること」を守り抜く為に体を張っているのです。
妻や息子に対する異常なまでの心配性ぶりも、根は同じこと。家族を守る為に「外は通り魔だらけ!」「この世は陰謀だらけ!」と大真面目に言い、あらゆる危険を予測(というか妄想)して回避しようとしているが為に「病的に神経質でヤバい人度」が加速しているだけなのでしょう。
そういう行動によって実害を被っている人々がいるのは作中でも表現されているので、手放しで「福満先生は嘘がつけなくて不器用で正直で、愛するもの(漫画と家族)にまっすぐな人なんです!」と言い切ることはできないんだけど、でもわたしは、福満しげゆきという人の痛々しい懸命さをいとおしいと思うし、その漫画に対する態度は、泥臭いがかっこいい、と思ってしまいます。
豪快にあけすけに私生活や己の心情を描きながら、その描かれている私生活は、ものすごく細かいことや漠然としたことで悩んだり不安になったり落ち込んだりしているという「小規模」なものである、というギャップもミソである、『僕の小規模な生活』。読んでいると、負の感情があまりにもダイレクトに描かれているものだから、そのネガティブな力にあてられてぐったりしてしまうことも多いのだけど、それでも読み続けてきてしまったのは、この、厄介なほどに心をむきだしにした漫画家が我が道を突き進んでいく様とその末路が見たい、といういやらしい好奇心からかもしれません。でも、その行く末がなるべくできる限り明るいものであればいいな、とは願っているので、ここはひとつ許して欲しい。
『僕の小規模な生活』の6巻収録の127話は、「僕」が「妻」に、「この先何十年も漫画を描き続けることはできない、子供を養えない、不安だ」と泣きつくお話。失業の恐怖に怯え、いま現在の過密な執筆スケジュールに神経を削られながら、突如「できるかできないかじゃない……やるかやらないかでもない……やるんだ!!やる……やるんだやるんだ!!」とやる気を漲らせ、うお〜!と原稿用紙に向かう「僕」。おぉ、かっこいい! これは明るい未来が待っていそうな予感! しかしあとがきの自身による各話解説には「(前略)やっていけなくなったときは、そのときに、どーするか考えるとしまして……しかし、まあ、僕には最強のポケモンであるところの「妻」がいますので、妻さえいれば、妻がなんとかしてくれるでしょう!」とある。
本編は何となくいい感じだったのに、あとがきで不安を妻に全力で丸投げしちゃったことを自ら告白するこの感じ……。この人の行く道はきっと平坦でも穏やかでもないだろうけど、これからもとりあえず面白いことをやってくれそうだ、という期待だけは抱けました。
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本日の担当者 日高トモキチ
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モキゾーの飼育と観察
第8回 カイコ
日高トモキチ(生きものなんとか紀行連載中)
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カイコというのは野生種が存在しない。人類が絹を得るために飼っている、純粋な家畜である。
この蛾を飼育してその繭から絹糸を採るという養蚕の技術は、数千年以上前に中国で編み出されたものと考えられている。ダテに四大文明じゃないよ古代中国。いわゆるシルクロードは絹の文化に端を発するわけで、そう思えば喜多郎の昔から蚕は中国のものではあった。
家畜としてその一生を人為的に絹糸生産工場に特化させられているため、通常の昆虫とはいろいろようすが違っている。
成虫はカイコガとよばれる蛾だが、飛べないし口がないから餌も摂らない。ぱんぱんに太った腹部には卵がぎっしり詰まっている。彼女たちの役目は次世代の労働力を生産することのみなので、それで問題はないのだ。
卵から孵化した幼虫がカイコで、桑の葉を食べて育つ。そして幾度かの脱皮を経て絹糸を吐き、繭をつくる。
なんせ元来が飼育用に改造された生きものであるがゆえ、カイコを飼うのはむずかしくない。噛んだり刺したりと危険なこともないし、逃げ出したりもしない。私も一度だけ飼ったことがある。
飼育は容易だと言っておいて一度しか経験がない理由は、何を隠そう私がちょっとイモムシ系を苦手なためだ。
不思議がられることもあるが、生物クラスタはひとつ間違うと他人の快・不快のラインを見失いがちなので、この「苦手な生きものがいる」というのはけっこう必要なファクターだと思ってますよ。自己弁護の一種ですがね、ハイ。
で、そんなあまり得意でないカイコ、飼いました。中学生くらいの頃かな。
アゲハの幼虫もそうだったけど、草食昆虫の大食いのやつらを飼うと、しゃくしゃく音がします。葉っぱ食べてるのが聞こえてくる。両手(脚)で桑の葉をガッとはさんで一心不乱に食ってる様子は、まあ、可愛いといえば可愛くなくもないです。
それで適当な枠を入れてあげると、うまいこと繭を作ってゆきます。
カイコのヴィジュアルにさえ抵抗がなければ、生物飼育体験としてはいろいろ王道というか基本がしっかりしているので、子供の情操教育にはちょっといい素材ですやね。
それから幾星霜。次に出会ったカイコさんは蛹の状態のやつでした。繭子とかいう綺麗な名前がつけられて、なんか缶詰に入ってました。ええ、食材です。
先に述べたようにカイコの役目は繭を作るところで終わる。次の世代を産むための種親はすこし残すとして、ほとんどのカイコは繭のまま煮られてしまい、蛹の姿でその一生を終える。
気の毒がる人もいようが、羽化するときにカイコは液体を分泌して繭を溶かしてしまうので、蛹を孵すわけにはいかないのだ。
したがって養蚕に際しては不要なカイコの蛹が相当量、出る。山の民はこれを貴重なタンパク源として食糧にしたのである。そして今でも珍味として流通しているわけだ。
繭子の缶詰は信州伊那生まれの友人が私宛になんのまえぶれもなく送ってくれたものである。ひとりで開けるのもつまらないので友人たちとの集まりに持参したら、ちょっとした祭りが起きた。
けっこう見た目まんま蛾の蛹だからね、繭子。むろん私の友人たちであるから、だれひとり悲鳴を上げたりカマトトぶる連中はいない。なかんづく遅刻した巨乳美女の漫画家などは無言でいきなり二個ほどつまんで口に放り込んだ。
レポ本誌をご購読いただいてる皆さんはご承知かもしれない。私は何度か昆虫食を体験している。その中でも、この繭子は、まあ、手放しでおすすめできるメニューではない。粉っぽくて、かなりモロに昆虫の匂いと味がする。
それでもカイコと人間のつき合いは古い。飢饉の折などにはこれらの虫たちに救われた生命も数え切れないことだろう。
東北の方で桑の木を削ってつくる素朴な馬頭の神・オシラサマは養蚕の神だという。岩手県遠野の民家を模してつくられた伝承館には、養蚕の展示とともに大量のオシラサマが祀られている。
土間に拡げられた桑の葉を食むしゃくしゃくという音を聞きながら、むかし家で飼っていたカイコたちのことを思い出したのは、昨年の東北行の折のはなしである。
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えのきどいちろう (「ついこないだの話」連載中)
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どうにか中央大学進学の内定をもらい、かろうじて浪人せずにすんだのだった。高校3年はゴレンジャーショーの巡業に加え「雨の日は濡れるから登校しない」という方針を貫いたから出席日数がぎりぎりだった。もちろん成績もよくない。「一浪だなぁ、エノキド一浪だなぁ」と二浪三浪するかもしれないのに冗談を言っていた。ま、現実的には夜間部の推薦をもらって(これは100パーもらえる)、進学後に昼間の転入試験を受けた方がラクチンだったからそうした気もする。親友の三井はこのパターンを目指し、しかし結局、退学してしまって新潟へパチンコ屋の修業へ旅立つことになる。
ま、中大杉並13期中、「最後のひとり」(担任オコシ先生・談)という形で経済学部産業経済学科の内定をもらった。内定書類を朝のホームルームでひとりずつ受け取るのだが、先生に「エノキド、昼間だぞ」と言われてガッツポーズだ。経済学部はうちの高校でいちばん人気がないところで、つまり成績下位の者が進学した。ちなみに兄弟校の中大附属は当時、男子校だったから文学部が人気薄なのだった。うちは「男女別学」(当時)方式だったので、頭のいい女子が文学部推薦を牛耳っていたのだ。←ホントは文学部がよかった。
さぁ、そうすると高校の卒業休みは教習所通いだ。歌舞伎町のかに道楽でバイトして、身体じゅうカニくさくなりながら免許をとる。かに道楽のバイトは最初、厨房の下働きから始めたのだが、何か知らないけどメキメキ出世して、6月頃はカウンターへ出てかに寿司を握っていた。バイトして貯めたお金で中古のブルーバードUを買う。30万だ。この「かに号」は4年間で乗りつぶした。
僕が進学した78年は中大が多摩校舎へ移転した元年に当たり、行ってみると山の中に「ソ連の細菌工場」が建ってるみたいに見えた。駿河台の学生街の雰囲気から程遠い。自宅のあった向ヶ丘遊園からは小田急で新百合ヶ丘、そこで多摩線にのりかえて多摩センター、そこからバスだった。雨の日なんかひと気がなくてすんごい寂しい。で、「かに号」で通学することを考える。大学付近の、テキトーに重機かけて平らにしたみたいな駐車場(未舗装)が「一日100円」なのだった。けれど、「かに号」通学は失敗と言えた。学内でどうしても高校の同級生と出くわす。そうすると「みんなでドライブでも行かないか」的な話がまとまり、つい物珍しくて相模湖とか高尾山とかへ出撃してしまうのだ。
ま、授業に出なかったのはしょうがない。合コンで知り合った女子大生が例え藤沢市だろうが秦野市だろうが、「かに号」は気にせず連れていってくれる。こう、何というかサービスエリアが関東一円に広がった感覚だ。「かに号」ありがとう。そしてバカ学生のカーステの友だったサザンオールスターズありがとう。大学1年の春は忙しかった。あんまり授業へ出なかったけど忙しかった。
たまに大学へ行ったときはサークル棟へ顔を出す。で、ジャーナリスト研究会とかそういうサークルを訪ねて、「あんたらどういう感じなの?」と話を聞いた。てか、議論をふっかけた。ま、生涯最大に生意気だった時期だ。で、ひと通り目ぼしいサークルをまわって、ここには面白いやつぜんぜんいない、という結論に到達した。面白い人に出くわしてたらその後の人生も多少変わったと思うんだけど。
ちなみに僕の通ってた頃の中大は、同時期に例えば川勝正幸さんがいたらしい。あと蓮池薫さんが北朝鮮に拉致されたのが78年7月(大学3年時)だから、学内ですれ違ってた可能性もある。同じ経済学部だと、後に「容姿障害」を世に問うことになる藤井輝明さんがいたのを覚えている。1学年下の文学部には木村元彦、大泉実成がいて、大泉さんにいたっては僕がよく行った中大バスセンター前の吉野家でバイトしてたらしいんだけど、残念ながら牛丼(並)を注文しただけだった。
で、まぁ、夏を目前にした頃には、僕は中央大学にすっかり失望していた。もうちょっと大学って面白いとこだと思ってた。日本中から色んなのが集まってるのと違うのか。ま、優秀な学生は司法試験の勉強とかそういうパーソナルワークにいそしんでいたのだ。こりゃ何か自分で始めるしかないですね。そうでないと「かに号」で遊んでばっかで4年間終わっちゃいますよ。いや、それも最高楽しいんだけど。何かこう、面白いことがしたい。
んーと、それで『週刊プレーボーイ』なんですね。たまたま見た号に大学情報みたいなページがあって、「関西の大学でスポーツ新聞発行してるとこがある」という記事を見つけた。あ、それは中大でもできそうじゃないか。パッとひらめいたのは東スポみたいな媒体だ。東スポみたいな新聞作れば好き放題なこと書けるな。文責みたいなことがうるさい大学の発行物で「あの戸田学長がホモ!?」とかやってもOKなんじゃないか。あぁ、俺は媒体を作ろう。よし、まずは関西の大学へ視察へ行くぞ。
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